年次有給休暇の計画的付与(概要)

「年次有給休暇の計画的付与」には次のような効果が認められる。

 

@ 年次有給休暇の時季指定権を制限し、円滑な業務運営を可能にする。

A 未消化の年次有給休暇日数を減少させ、繁忙期の休暇取得退職時の集中的な休暇取得を抑制する。

B 長期の休暇取得を可能にし、自己実現意欲が高く、ワークライフバランスを希求する従業員の満足度を向上し、帰属意識やモチベーションの高揚を図ることができる。

 

以上の効果に着目し、以下の目次でこのページを展開する。

 

年次有給休暇のリスク

経営の立場から見て、年次有給休暇には次のようなリスクがあると考えられます。

 


1 労働者の時季指定権が強く、業務運営との調整もままならない。

年次有給休暇は労働者が希望する時季に与えるのが原則です。経営者には時季変更権がありますが、これを行使できるのは、「年次有給休暇を付与すれば事業の正常な運営を妨げる場合」に限られます。結果、労働者の時季指定権があまりにも強く、事業主は困惑させられる場合が少なくありません。

特に次のような事例には泣かされます。

@ 対個人サービス業(ex.美容院)などにおいて、書入れ時である土・日曜日、祝日などに意図的に休暇を申請する。

※ 多くの人が休む土・日曜日、祝日などには、店員も休みたい、その気持ちはわかりますが、これではサービス業は成り立ちません。

A 残りの有給休暇を全て消化すべく、退職時に集中的かつ長期にわたる休暇を申請し、十分な引き継ぎをしないため、事後の業務に支障をきたす。


2 労働者が有給休暇を取得した日については、賃金負担のみが重くのしかかり、企業には何の利益ももたらさない。

※ 経営者にとっては「ノーワークノーペイの原則はどうなっているのか。」と言いたいところですが、労働者側に言わせれば、「賃金は有給休暇の存在を前提として定められており、有休を取得しなければ、その分タダ働きを強いられることになる。」ということにもなりかねません。「有給休暇の付与に相応する利益を企業側にもたらすにはどうすればよいか」については、後述します。