Ⅶ あきらめない!不払い残業解消法

「残業代はほとんど払ったことがない。」

「法律通りに残業代を支払ったら、負担が大きくなり過ぎて、会社がつぶれてしまう。とても無理!」

「サービス残業の解消なんて夢のまた夢だ。」

こう考えておられる事業主様は意外に多い。

しかし、こんな問題を解決するのが、コンサルタントたる社労士の使命です。

全部解決できるとは申しませんが、多くの場合解決できます。

どうかあきらめないで、このページを読んでください。

 

1 不払い残業となるケース

以下はすべて完全不払い残業となります。

① 支払えないので、残業代なしで労働契約を締結した。

② 残業代込の賃金で労働契約を締結した。ただし、幾らが残業代なのかを明示していない。

③ 残業代は営業手当など、各種手当に含めて支払っている。ただし、幾らが残業代なのかを明示していない。

④ 定額残業代(支払額は明確)を支払っている。ただし、定額残業代の額を超える残業があっても追加払いはしていない。

⑤ 歩合給は成果(例えば売上高)にコミッション率(賃率)をかけて支払うものであるから、残業代は必要ないと考え、全く支払っていない。

<若干の解説>

1 ①のケース

残業をさせても残業代を支払わないのは、明確に労働基準法違反です。

所定労働時間を超えて労働させれば、必ず残業代を支払わなければなりません。

法定労働時間を超えて働かせれば、時間外労働割増賃金が必要です。

2 ②③のケース

幾らが残業代なのかを明示しなければ、法定通りの残業代を支払っているのかどうか検証できません。

最近の判例では、残業代部分が幾らかだけでなく、何時間分であるかも明示しなければならないとなっているようです。

3 ④のケース

このケースは特に注意してください。

「定額残業代を支払っているのであるから、全額不払いではない。よって、実際の残業代との差額を追給すれば良い。」と考えがちですが、

最近は「定額を超える残業代を支払っていない場合は、定額残業代制度そのものを無効」とするのが、最近の判例の傾向です。

4 ⑤のケース

「歩合給は成果に対して支払うものであり、残業代は不要のはず。」という考え方も心情的には理解できますが、

現行制度下では残業があった場合は必ず残業代を支払わなければなりません。

2 不払い残業解消の方策

 (1) 固定給(基本給)の会社

① 基本給の額を引き下げるとともに、残業代を法定通りに支払う。……A案

具体的には、残業代に見合う額だけ、基本給を下げる案です。

ア A案の利点

・ 人件費の総額は従来の額と大差ないと考えられるので、経営的見地からは無理なく移行できる。

イ A案の問題点

・ 不利益変更となるので、従業員の同意を得る必要がある。

・ 従業員から見た場合、残業代の額は変動するので手取りの収入が減少する可能性がある。

・ 従来からの基本給の額が低額で、残業代相当額を十分に控除できない場合は、新たな給与原資が必要となる。

※ 例えば、従来の固定給(基本給)の額が15万円、最低賃金(H28年埼玉:845円)から導かれる基本給の額が14.7万円の場合、残業代相当額として控除できる額は、3,000円(=15万円−14.7万円)しかない。3,000円で残業代を賄うことはほとんど困難である。

一方、従来の固定給(基本給)の額が18万円ならば、残業代相当額として控除できる額は3.3万円(31時間分の残業代に相当)となり、A案の有効性はぐっと高くなる。

以上、計算過程は省略するが、考え方はご理解いただけたと思います。ご質問があればご遠慮なくどうぞ!

ウ A案の評価

従来の手取り額が保障されないので、従業員の理解を得ることが難しい。

② 基本給の額を引き下げるとともに、引き下げた額と同額を固定残業代として支給する。……B案

従来の基本給の額=新基本給+固定残業代とし、従来からの手取り額を保障する案です。

ア B案の利点

・ 人件費の総額は従来の額と大差ないと考えられるので、経営的見地からは無理なく移行できる。

・ 手取り額が減少しないので、従業員の賛同を得やすい。

イ B案の問題点

・ 不利益変更とも言えるので、従業員の同意を得る必要がある。

・ 従来からの基本給の額が低額で、十分な額を定額残業代に転用できない場合は、新たな給与原資が必要となる。……A案の場合と同趣旨

ウ B案の評価

・ 手取り額が減少しないばかりか、残業時間が多い場合は収入増になり、従業員の同意を得やすい。

③ 総合結論

B案を採用することにより、不払い残業を解消できる可能性が大。

 (2) 歩合給の会社

歩合給が多くてもコミッション率(賃率)を若干下げることにより、固定給(基本給)主体の会社と同様の施策で不払い残業を解消できる。

今、オール歩合給制、月の総労働時間200時間、月間残業時間40時間、割増賃金率25%として、一例を示すと下表のとおりである。

売上高 従来の歩合給賃金 新歩合給賃金
賃率 歩合給 新賃率 歩合給 残業代 合計
2,000,000 20% 400,000 19.1% 382,000 19,100 401,100
1,500,000 300,000 286,500 14,325 300,825
1,000,000 200,000 191,000 9,550 200,550
500,000 100,000 95,500 4,775 100,275
 割増賃金1.25のうちの「1」の部分は、歩合給の中に含まれている。
よって、ここでは割増部分(0.25)だけを残業代として計算した。
 残業代=歩合給の額×(40h÷200h)×0.25

3 社労士から一言

現代は、問題社員、モンスター社員、クレーマー社員が跋扈(バッコ)する時代。

クレーマー社員は、退職間際に弁護士や行政当局を活用してクレームをつけることが多いのです。

よって、安定した経営を維持するためには、小規模企業といえども"賃金管理のコンプライアンス"は不可欠です。

よろしかったら、サービス残業の解消に向かって取り組んでみませんか。

 

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