Ⅰ−2 雇用保険に加入しないリスク

1 雇用保険料の試算

雇用保険料は、高いのか?それを検証する前提として、雇用保険料を試算して見ましょう。

雇用保険料率は、平成23年4月現在、次の通り定められております。業種により料率が異なるのは、離職率などを考慮したことによるものと考えられます。
  雇用保険料率  事業主負担分  労働者負担分 
一 般 の 事 業   15.5/1000  9.5/1000  6/1000
農林・清酒製造業   17.5/1000  10.5/1000  7/1000
建  設  業   18.5/1000  11.5/1000  7/1000

※ 失業等給付に係る保険料率は労使折半なのですが、事業主には、別に二事業に係る負担金が課せられるので、労働者よりも保険料率が高いのです。

それでは、労災保険の場合と同様に月収10万円、20万円、30万円の労働者(ボーナス2ヶ月分×2回/年)について保険料(事業主負担額のみ)を算定してみます。

 

なお、計算に当たっては、日雇い労働者であるとか64歳以上の被保険者であるとかいった細かいことは考慮しないで、ざっくり計算してみます。

  月 収  年 収  保険料率  保険料  1ヶ月保険料 
一 般 の 事 業   10万円  160万円   9.5/1000  15,200円 1,267円
 20万円  320万円  30,400円  2,533円
 30万円  480万円  45,600円  3,780円

農林水産

   ・清酒製造業 

 10万円  160万円   10.5/1000  16,800円 1,400円
 20万円  320万円  33,600円  2,800円
 30万円  480万円  50,400円  4,200円
建   設   業   10万円  160万円   11.5/1000  18,400円  1,533円
 20万円  320万円  36,800円  3,067円
 30万円  480万円  55,200円  4,600円
どうでしょうか、高いでしょうか?大雑把に言って労働者に支払う賃金の1%相当と見ることも、定昇1回分と見ることも出来ましょう。

次項をあわせ考慮して、そろばんをはじいてみてください。

 なお、雇用保険の場合も労災保険と同様に、全従業員分を年1回(又は3回に分けて)まとめて納付するから、高いと感じる一面もあることは否めないでしょう。

 

2 雇用保険に加入しない場合のリスク

① 従業員から、過去に遡って加入を求められる可能性があります。
もらえるはずの育児休業給付金失業手当がもらえないので、過去に遡って加入することを求められる可能性があります。過去に遡って加入する場合においても、一般には2年間しか遡ることができません。よって、正規に加入していた場合よりも受給額が少なくなる場合がありえます。その場合は差額分を別途請求される可能性も出てまいります。

② 育児休業取得の権利を有する者を合意退職させる場合は、退職により有用な労働力を失うこととなります。

 

③ 保険に加入している場合よりも、従業員満足(ES)が低くとどまる可能性があります。

一般に、待遇が社会基準よりも低い場合は従業員の満足度(ES)が低く、社会の基準並み又はそれを上回る場合は満足度(ES)が高くなる傾向があります。

ESが高い場合は、従業員の定着率や会社に対する貢献意欲が高まりますが、低い場合は逆の傾向(適当に仕事する、退職するなど)を示すことが考えられます。

④ 退職勧奨等に悪影響が出る可能性があります。

採用した従業員の勤務成績などが会社の要求に達しない場合、企業業績が悪化した場合、事業転換や事業場の移転を図る場合など、従業員に円満退職を求めなければならない場面に出会うことがありますね。

その場合、失業手当がある場合とない場合では、従業員の反応が異なることが予想されます。

⑤ 助成金を受給することが出来ません。

国の助成金を受給できる場合でも、 雇用保険に加入していないがために受給できないことも少なくありません。

3 社会保険労務士としての意見

保険料の額、加入しない場合のリスクを合わせ考慮した場合、加入した方がよいと思います。それによって、事業主としての義務も果たせるのですから、加入しない手はないと思います。

 

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