Ⅳ−2 受入れ可能な労働時間の設定のための基礎的検討

社会保険への加入要件のうち重要なのは、『労働時間・労働日数についての要件(第3要件)』です。

話を複雑にしないために、通常の労働者の所定労働時間を1日8時間、週40時間として、以下の考察を進めることとします。

1 通常の労働者の3/4未満となる所定労働時間の検討

3/4未満となる所定労働時間月収の関係を試算してみますと、下表のとおりです。 

4分の3未満労働時間.jpg

 

2 社会保険加入を回避できる労働時間の検討

 (1) 代替案の列挙

社会保険加入を回避できる全ての代替案を列挙することは困難であるが、表2を参考に代替案を列挙してみました。

① 1日の所定労働時間を8時間、週の所定労働日数を3.5日又は月の所定労働日数を15日とする。(第1案)

② 1日の所定労働時間を6時間未満、週の所定労働日数を5日とする。(第2案)

③ 1日の所定労働時間を4時間、週の所定労働日数を5日とする。(第3案)

 

(2) 各代替案の分析

ア 第1案

この案を会社の立場から見ると各人ごとに勤務日を割り振るなどの処置が必要です。

日によって出勤する社員が異なるなど、労務管理は複雑化します。

 

労働者の立場から見た場合、103万円の年収を希望するものにとっては、従前の労働日数、月収での労働が確保でき、問題はないと考えられます。

 

年収130万円を希望する労働者から見た場合、約14%の月収ダウンとなるが、ワーク・ライフ・バランスの視点から休日の増加は受け入れられる可能性がありましょう。

 

年収163万円を目指す60歳以上の労働者にとっては、収入ダウンとなり、納得を得ることは難しい可能性があります。

ただし、ワーク・ライフ・バランスをよしとする者も現れる可能性があります。

 

本案の採用にあたっては、事前に従業員の希望を確認するなどの対応が望まれます。

 

イ 第2案

会社側の事情が、1日5.75x時間労働で対応可能であれば、この案は採用容易であると考えられます。

各労働者に勤務日を割り振るなどの処置も不要です。

8時間労働から、6時間労働に切り替えることによる労働力(M/H)不足は増員で対応することとなりましょう。

 

 

年収103万円を希望する労働者は、従前の労働日数、月収での労働が確保でき全く問題はありません。

 

年収130万円を希望する労働者から見ても、約11%の月収ダウンとなるが、減少額は、第1案よりも少なくなります。

労働者の月収はやや減少するが、サラリーマンの妻などには、家事との兼ね合い(ワーク・ライフ・バランス)で6時間程度の短時間労働を望む者も多いと考えられます。

 

ウ 第3案

この案は、1日4時間労働の2交代制を実現しようとするものであるが、減収額(22%〜50%)が大きく、実現には困難を伴いましょう。

 

しかしながら、短時間労働を是とする主婦層の存在も否定しがたく、希望者及び今後採用するものを主体として、4時間労働2交代で就労する者を編成できる可能性があります。

 

未だ、現実のものとはなっていませんが、政府部内に週20時間以上の労働者を社会保険に加入させようとする動きもあり、この案を追求する姿勢だけは持ち続けたいものです。

なお、週労働時間20時間案は、雇用保険の短時間労働被保険者の要件と同一要件にしようと考えてのものです。

 

週の所定労働時間20時間が社会保険の加入要件となった場合にも、対応容易なように可能な範囲で、事前に手を打っておくのもいい考えではないでしょうか。

 

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